top of page
​東洋医学

当院は学問的、診断学的に形態化され、いまなお進化し続ける中医学をもとにした中医鍼灸治療を取り入れております。

中医学は漢方の基になっている考え方で、陰陽論や五行説、五臓六腑などの概念を取り入れた整体観念と深く繋がっています。現代医療の中心である西洋医学的診断方法とは異なりますが、西洋医学と東洋医学のふたつの視点から不妊症を観察することで、不妊症攻略へ向けての幅が広がります。

中医学の考え方

中医学では、生命力を保ち、からだを形づくるものを「生理物質」と呼んでいます。生理物質は「気・血・津液(=水)・精・神」の五つから成り立っています。また、実際に形あるものとして五臓六腑があります。通称「臓腑」と呼ばれ、五臓のうち「肝脾腎・胞宮」の4四つの臓腑は妊活・不妊症攻略には欠かせません。生理物質を蓄えたり、消化吸収、排泄などを行い、エネルギーを効率よく回転させ日々命をつないでいます。

「生理物質」や「五臓六腑」の考え方に、「陰陽虚実」といったからだの状態を二分化する方法を合わせ、いわゆる「体質」を導き出しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五つの生理物質と四つの臓腑を状態は、おひとりおひとり異なることはもちろん、ひとりの身体のなかでも日々変動していきます。

生理物質と臓腑の調和によって私たちのからだは生かされている、ということは中医学の基本的な考え方のひとつです。

スクリーンショット 2020-12-29 132754.png
スクリーンショット 2020-12-29 133959.png
生理物質による診断

「気・血・津液・精・神」の5つの生理物質が「虚・実」どちらに傾いているのか、まずは考えてみましょう。

%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%
五臓六腑による診断

五臓六腑のうち「肝脾腎・胞宮」の4つを妊活・不妊症においては大切にしています。

生理物質と同じように「虚・実」の傾きも踏まえましょう。

さらに、「陰・陽」の傾きも合わせて診てみましょう。

スクリーンショット 2021-01-07 131342.png
%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%
中医学的体質診断

【肝血虚】

血の不足と肝の機能低下が合わさった状態です。

目や爪、筋肉などの不調が出現したり、子宮内膜への影響から、月経が遅れたり、月経量が少なくなることがあります。

血の不足:唇や眼瞼結膜が白い 爪がもろい

眼の不調:眼のかすみ ドライアイ

筋の不調:足がつりやすい

睡眠の障害:不眠 眠りが浅い 

不妊関連:月経不順 月経が遅れる 初潮が遅い

スクリーンショット 2021-01-07 131833.png

【肝陰虚】

肝血虚が進むと肝陰虚に発展します。肝の機能低下と、血虚・陰虚症状が合わさった状態です。

不妊治療で使われるお薬には陰虚になりやすいものもあるため、不妊治療歴が長くなっている方は当てはまりやすいです。

 

血の不足:唇や眼瞼結膜が白い 爪がもろい

眼の不調:眼のかすみ ドライアイ

筋の不調:足がつりやすい

睡眠の障害:不眠 眠りが浅い 中途覚醒

陰の不足:のぼせ 冷えのぼせ ほてり 寝汗

不妊関連:頸管粘液の不足・不正出血・排卵誘発剤の長期使用

スクリーンショット 2021-01-07 131846.png

【肝鬱気滞】

肝の機能低下により、気の詰まりが起こっている状態です。

体調管理や通院、お仕事との両立など、不妊治療を行っている方に特有の精神的な負担が影響していることもあります。

 

気の不調:メンタルに弱い イライラしやすい 

     突っ張り感 お腹の張り・便秘

不妊関連:月経不順 月経痛 PMS月経前症候群 

     末端冷え症 お薬が反応しにくい

スクリーンショット 2021-01-07 132558.png

【肝陽上亢】

肝機能の炎上と肝腎の陰虚症状が合わさった状態です。

不妊治療で使われるお薬には陰虚になりやすいものもあるため、治療歴が長くなっている方は当てはまりやすいです。肩こりや頭痛など上半身の症状を伴うことが診断のポイントです。

肝の炎上:めまい 耳鳴り 頭痛 眼の充血 頭顔面部の症状が出る

腎の不調:腰や膝が弱い 生殖の異常 耳鳴り 難聴 めまい 視力低下 脱毛

血の不足:唇や眼瞼結膜が白い 爪がもろい ドライアイ 足がつりやすい 不眠 

陰の不足:皮膚や口腔の乾燥 のぼせ 冷えのぼせ ほてり 寝汗

不妊関連:頸管粘液の不足 不正出血 排卵誘発剤の長期使用 FSH高値

スクリーンショット 2021-01-07 134133.png

【脾気虚】

消化器系の不調がある状態です。

 

 

消化器系の不調:食欲低下 食後にお腹が張る 下痢・未消化便

気の不足:倦怠感・息切れ

不妊関連:卵胞の発育が遅い 甲状腺機能障害

スクリーンショット 2021-01-07 134614.png

【脾陽虚】

脾気虚が進むと脾陽虚に発展します。消化器系の不調と冷えが合わさった状態です。

 

消化器系の不調:食欲低下 食後にお腹が張る 下痢 未消化便

気の不足:疲労 倦怠感 息切れ

陽の不足:腹部や下半身の冷え 

不妊関連:黄体ホルモン不足 低体温 甲状腺機能障害

スクリーンショット 2021-01-07 134628.png

【脾虚湿盛】

消化器系の不調によって、体の中に余分な水分が溜まりすぎている状態です。

消化器系の不調:食欲低下 食後にお腹が張る 下痢 未消化便

湿の過剰:浮腫み 

不妊関連:ホルモン剤の長期多様 

スクリーンショット 2021-01-07 134644.png

【腎精不足】

生殖機能・脳機能が衰えてている状態です。

 

腎の不調:腰や膝が弱い 発育が遅い 生殖の異常 

     耳鳴り 難聴・めまい 視力低下 物忘れ 脱毛

不妊関連:POF早発閉経 無月経 無排卵 二次性徴遅延

スクリーンショット 2021-01-07 134808.png

【腎気虚】

生殖器・泌尿器系の不調がある状態です。

 

腎の不調:腰や膝が弱い 発育が遅い 生殖の異常 耳鳴り 

     難聴・めまい 視力低下 脱毛

気の不足:疲労 倦怠感 息切れ

不妊関連:流産 早産 

スクリーンショット 2021-01-07 134821.png

【腎陽虚】

生殖器・泌尿器系の不調と冷えが合わさっている状態です。

 

腎の不調:腰や膝が弱い 頻尿 生殖の異常 耳鳴り 難聴・めまい 

陽の不足:腹部や下半身の冷え 腰や膝が弱い 夜間尿

不妊関連:男性不妊 黄体ホルモン不足 低体温

スクリーンショット 2021-01-07 134838.png

【腎陰虚】

生殖器・泌尿器系の不調と血虚・陰虚症状が合わさった状態です。

不妊治療で使われるお薬には陰虚になりやすいものもあるため、治療歴が長くなっている方は当てはまりやすいです。

腎の不調:腰や膝が弱い 頻尿 生殖の異常 耳鳴り 難聴・めまい 

血の不足:唇や眼瞼結膜が白い 爪がもろい ドライアイ 足がつりやすい 不眠 

陰の不足:皮膚や口腔の乾燥 のぼせ 冷えのぼせ ほてり 寝汗

不妊関連:頸管粘液の不足・不正出血・排卵誘発剤の長期使用・FSH高値

スクリーンショット 2021-01-07 134850.png

【胞宮血瘀】

子宮や骨盤内に血の滞りや古い血が溜まっている状態です。

 

血の滞り:月経血の塊が出る 強い月経痛 鋭い痛み 夜間痛

不妊関連:子宮筋腫 子宮内膜症 チョコレート嚢腫 子宮腺筋症などの婦人科疾患 それらによる癒着など

スクリーンショット 2021-01-07 134917.png
bottom of page